デジタルサイネージの動画制作にかかる費用・相場について 

デジタルサイネージの動画制作にかかる費用・相場について

クラウド系の動画発注サービスではいち業者として仰天するような金額で依頼が出ています。実際の話デジタルサイネージの動画制作を依頼する場合、どれくらいの予算が適切でしょうか?当記事で紹介する金額は筆者の経験や主観に基づいたものです。客観的な情報ではありませんのでご注意ください。
 
カメライメージ

■スライドショーは2~3万円から

1ページ5,000円×6点=30,000円の計算で、6枚分のコンテンツがあればスライドショーとして十分に構成が組めます。アニメーション効果が無いので人目を引く集客には使いにくいものの、商業施設内の紹介等落ち着いた用途であれば動画でなくスライドショーから検討するのも良いでしょう。何しろ画像単位でコンテンツが独立しているので、現場での差し替えや編集がラクです。
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■制作費10万円(税別)の内訳

10万円という目安は、いち動画制作者である筆者の主観で、これまでの経験からの空気的な線引きです。写真素材を発注者が持ち込み。これにイメージ素材や声優のナレーションを組み合わせると、通販番組風の販売コンテツが約10万円で制作できます。実効性のある販促用コンテンツの一つの目安としてお考え頂ければと思います。
 
<事例>

→王様の撮影キット
 
<見積り例>
(1)企画と編集作業……5~6万円
(2)声優、BGM、効果音、楽曲……4~5万円
(3)若干のイメージ素材……サービス扱い
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合計:10万円(税別)
※撮影なし、写真等素材持込
※(1)(2)は1万円前後の振り幅あり
※2~3分程度のCM動画
 
企画兼編集者のフリーランス……つまり弊社では、上記のような見積りです。
大きな組織になるほどさらに諸経費が乗ります。
「日給2万円×実働3日間×1人」の人件費で計算しています。
初回案提出後、納品まで2~3回の修正を折り込んでいます。
 
制作は予算ありき人件費優先です。不足分は経費を削減します。
経費を削減するとどうなるか。
例えば、本来イメージ写真を使うべき場面を、フリー素材のシルエットで賄うかもしれません。
例えば、ネット声優への依頼額は数千円~数万円の幅がありますが、品質より価格を優先します。
その予算も無ければ、さらに安い合成音でナレーションを制作するかもしれません。
予算に応じて、提供される品質はドラスティックに変わります。
 
その道のプロに仕事をさせる場合、人件費は1日2~3万円/人を見ておきたいところです。
(著名なクリエーターであれば日給はさらに上がります)
クリエーター1人に実働1週間注力させる仕事であれば、14~21万円+経費が目安です。
 
人件費を意識せず価格交渉すると、発注側に悪意は無くても、
実績のあるプロに対して「1日5,000円で1週間仕事しろ」と言うに等しいケースもあります。
勿論、それで仕事を受けるクリエーターも多く居ます。
適切な発注額にアタリを付ける場合は、何人が何日掛かる仕事かを把握すると、実態に近づきます。
 


■撮影に掛かる費用は?

撮影はモデルを使う規模になると一気に費用が上がります。撮影規模により異なりますが、関わる人員は次の通りです。
 
撮影スタジオイメージ

<人件費>
・カメラマン
・アシスタント
・モデル
・スタイリスト
 
<経費>
・交通費(ロケバスの手配等)
・撮影スタジオ
・撮影機器
・衣装
 
一人あたりの人件費を3万円とすれば、最低12万円の原価が掛かっています。
これに運営や撮影にかかる経費を載せますから、ひと仕事で15~20万円は見ておきたいところです。カメラマン一人の派遣であれば、3万円+交通費で確保できるでしょう。
 

■安く制作したい場合は…

予算は発注者の選択です。とにかく安く作りたい場合は、クラウド型の発注サービスで制作者を募集します。「動画制作 クラウド 依頼」等の検索ワードでサービスが見つかります。諸事情によりその発注額で仕事を受けたい制作者が依頼に応募します。尚、発注額の設定は発注者の裁量ですが、人件費を想定しての発注をお勧めします。
コンテンツの結果に保証はありません。高額の予算でも企画が失敗する場合はあります。逆に低予算で企画がヒットする可能性もあります。
 


■企画や相談にはお金が掛かる

動画の企画は「絵コンテ」が基本です。これは4コママンガのような体裁で、どんな場面で何を撮り、どのような映像を作るかを検討する計画書です。動画の撮り直し、作り直しを避けるため、事前に企画を詰めて発注者の了承を得ます。
企画書やコンテ画の制作には人件費が掛かります。簡単な動画でも少し凝ったものを作れば1人/日の仕事ですし、複数の人間が関わると打ち合わせや会議のコストも掛かります。
動画は企画するだけでお金が掛かるのです。稀に企画やアイデアを無料で求めたり、数万円の案件でコンペを希望する事業者がいますが、企画に掛かるコストを知らない故でしょう。
 


■コンテンツ次第で高価な機材が無駄になる

デジタルサイネージはコンテンツよりも機材の導入費が高くなりがちです。例えば屋外用高輝度のデジタルサイネージは、人の背丈程度の大きさで100万円を超えます。
コンテンツ制作の恐ろしさは、大金を掛けて導入したデジタルサイネージ機器を台無しにする可能性があることです。機材がどれだけ明るく大画面でも、ターゲットにフックしないコンテンツでは投資が無駄になります。
 


■お金を掛けるべきコンテンツは何?

デジタルサイネージで「集客・販売」を促すコンテンツは、しっかりお金を掛けての制作をお勧めします。
商業性を抑えてユーザーに情報提供するコンテンツは、自社の制作でも問題ありません。クリニックやサロンが顧客向けに、ゆるい雰囲気の手書ニュースレーターを発行するようなものです。
集客や販売に直接関わるコンテンツは売上げに直接影響します。販売に関わるコンテンツは、お客様自身がお金を出すかどうかを判断する材料であり、デザインの精度、メッセージの内容、雰囲気、信頼性等、厳しい目で見られます。これは「双方の真剣さが違う」と表現してもよいでしょう。

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