Windowsでタッチパネル対応のデジタルサイネージを構築する方法 

Window機でタッチパネル対応の屋外用デジタルサイネージを構築する方法

 
WindowsとWEBブラウザを使ったデジタルサイネージについては 過去に紹介していますが、今回はさらに応用して、
(1)タッチパネル対応
(2)定時で自動起動&終了
(3)動作ログの取得して効果測定 を実装します。
 
タッチパネルタイプの合成イメージ

画像は1920x1080解像度で縦型のWEBページを表示した場合のシミュレーション(合成)。閉じたリンクのWEBページを作り、タッチ操作に適した大きなボタンやメニューを配置することで、タッチパネル用のコンテンツになります。動画も配置できます。
表示のデジタルサイネージはLK47OTKG(47型高輝度屋外タイプ、タッチパネルオプションあり)

■タッチパネル更新型システムの概要

┌──┐
│  ↓
│  時間指定でデジタルサイネージ本体起動(本体機能の対応が必要)
│  ↓
│  時間指定でPCを自動起動(要BIOS設定)
│  ↓
│  PC監視ソフト自動起動、ログ取得開始──→閲覧ログを元に顧客に改善提案
│  ↓
│  WEBブラウザをキオスクモードで自動起動(スタートアップ)
翌  ↓
日  デジタルサイネージコンテンツ(WEBページ)を表示
│  │ ↑ ↓
│  │ │ ユーザーの操作でページ閲覧
│  │ │ ↓
│  │ JavaScriptにより、一定時間でホームページに戻る
│  ↓
│  時間指定でWindows機を自動的にシャットダウン(タスクスケジューラを使用)
│  ↓
│  時間指定でデジタルサイネージの本体をシャットダウン
└──┘

このシステムは、広告代理店がコンテンツを取りまとめる場合に適しています。例えば各店舗が独自にコンテンツ(WEBページ)を更新する場合は、もう少し複雑な構成になります。

■構成の特徴

【1】定時でWindows機が起動/終了するので、店舗時間に合わせて運用できる。
【2】タッチパネル対応で、各店舗の案内など複雑なコンテンツを構築できる。
【3】ユーザーの操作を記録するので、効果測定ができる。
【4】オンライン・オフラインの両方に対応する。完全スタンドアロンで動作可能。
【5】WindowsとWEBブラウザの基本機能を使うため、低コスト構築できる。
【6】自動で再起動するため、システムの安定性がある程度保たれる。
【7】FlashやHTML5により、グラフィカルな表現が可能。
【8】Widnows機のため、故障時の代替機入手やメンテナンスが容易。

■ハードウエアの要件

1、デジタルサイネージ本体が、タイマー起動&終了に対応していること。
2、デジタルサイネージ本体が、タッチパネルに対応していること。
3、デジタルサイネージ本体が、Windows機の内蔵に対応していること。
4、内蔵するWindows機のBIOSが、タイマー起動に対応していること。

Windowsの起動をタイマー設定するには、BIOSが対応している必要があります。購入前に確認しましょう。

弊社が確認した範囲では、マウスコンピューターの「MousePro Mシリーズ」がタイマー起動に対応しており、かつ省スペースでデジタルサイネージ用に適しています。但し、耐久性は通常のPCですから、ある程度故障も織り込んでの運用となります。

また、DELLのPRECISION等法人向けモデルの一部では、曜日&時間指定での起動設定ができます。ただ、本体が大きいためデジタルサイネージ筐体に入れにくいのがネックです。

MousePro-M500E-1503 [ 法人専用 / Web限定モデル ]

MousePro-M500E-1503 [ 法人専用 / Web限定モデル ]
起動をタイマー設定できる小型PCです。

デジタルサイネージの本体も、タイマー起動&終了に対応する必要があります。これもメーカーにより異なります。
LK47OTKG[47型 屋外用高輝度デジタルサイネージ]

LK47OTKG[47型 屋外用高輝度デジタルサイネージ]
こちらも起動・終了を時間指定できます。タッチパネル化対応。

■Windows機を使う理由

大まかな構成は他のOSでも可能ですが、ドライバの問題があります。デジタルサイネージのタッチパネルは特殊な改造ですから、ドライバの充実したWindows機の方が都合が良いのです。

■デジタルサイネージ専用のパソコンを買うべきか?

さて、ここは考えどころです。デジタルサイネージ用の高耐久な専用機(PC)は10万円半ば。一方で、格安なWindows機は4-5万円で入手できます。

デジタルサイネージの運用がストップしている間に大きな損失が予想される場合は、専用機でなるべく安定性を確保するべきでしょう。逆に、修理までの時間が許容範囲内であれば、格安機で回すのもひとつの方法です。
SHARP PN-ZP30

SHARP PN-ZP30
こちらはSHARPのデジタルサイネージ用PC。市場価格は約17万円です(2015年5月現在)。 

■タッチパネル用コンテンツの正体

正体も何も、タッチパネル用のコンテンツは単なるWEBページです。FlashやHTML5でアニメーションを組み込むと見栄えが増します。

検索対象になるコンテンツではないので、コンテンツの殆どは画像で構成できます。イメージマップを使えばチラシのようなビジュアル重視のデザインも可能です。

多くのWEBブラウザには「キオスク」という機能があります。ブラウザの検索ウインドウや戻るボタンを消して、WEBページのみを全画面表示します。図書館の検索システムなど、不特定多数のユーザーが余計な操作をしないように操作系を閉じ込める時に使います。

キオスクモードを解除するにはキーボードからの入力が必要なため、タッチパネル操作とキオスクモードを組み合わせると、不特定多数向けのコンテンツが作れるわけです。

■更新はどうするの?

コンテンツはWEBページですから、通常のWEB更新と同じ方法です。ホームページビルダーのようなソフトで更新できますし、WordPressのようなCMSを使えばブラウザ経由でも更新可能です。

コンテンツはオンライン・オフラインの両方に対応します。操作のレスポンスを重視する場合はローカルに保存したWEBページを表示すると快適でしょう。

■オンライン構築のポイント

オンラインで構築する場合は、インターネットへの接続コストが掛かります。また、設置するコンテンツの重さによっては、通信帯域やサーバー容量の確保も必要です。

手軽な方法としては、GoogleApps(月額500円)があります。GoogleAppsの機能であるGoogleドライブにWEBコンテンツを置いて、WEB接続したデジタルサイネージからコンテンツを表示します。
動画のような重たいメディアは、オンライン経由では再生に時間がかかる場合があります。レスポンスを重視する場合は専用の動画サーバーを契約したり、動画をローカルから読み込んで再生すると良いでしょう。

■オフライン構築のポイント

オフラインは、Windows機にWEBページを保存して読み出すスタイルです。更新するには直接Windows機のデータを書き換える必要がありますが、操作のレスポンスが良好でスタンドアロン稼働します。通信コストも掛かりません。

更新作業を楽にするポイントとして、コンテンツを高速なUSBメモリやSDカードに格納する方法があります。弊社ならそうします。

■効果測定のためのログ取得

タッチパネルのデジタルサイネージを複合店の入り口に設置した場合、各店舗の情報をタッチパネルでユーザーが閲覧します。この時、ユーザーの閲覧ページを記録することで、顧客に対して説得力のあるアドバイスができるようになります。

Windowsの場合、操作ログの取得はフリーソフトでも豊富ですが、顧客に提示するため本格的に記録を取る場合は、専用ソフトを導入した方が良いでしょう。例えば下記の様なソフトです。
PC Agent
http://www.blue-series.jp/jp/products-jp/pc-agent-jp.html

尚、閲覧ページの記録だけであれば、GoogleChromeで管理対象ユーザーを作る方法もあります。但し、この方法はオフラインのページ閲覧を上手く拾ってくれない様子です。

■実際のシステム導入コストは?

機材の選定やコンテンツの制作等で見積は大きく変わりますが、弊社の推奨する構成の場合、機材諸々で約130万円(税込)です。これに、コンテンツの制作費や出張による設定工賃が加わります。

<構成例>
本体:LK47OTKG(47型高輝度屋外用デジタルサイネージ)
パソコン:MousePro-M500E-1503(BIOSによるタイマー起動対応)
ログ監視ソフト:PC Agent
コンテンツ再生:GoogleChrome/Internet Explorer
※システムの導入コストは為替や景気状況により変わります。

■お問い合わせ

ご予算に応じて仕様変更できます。お気軽にご相談ください。
電話 090-3748-6132(森内 年中無休)
メール info@mangaad.jp

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