多重スクロールでフレームを作ると、擬似的に奥行きを表現できます。デジタルサイネージや、動画コンテンツのOP・幕間等に使える演出です。この動画ではシンプルな形の画像を使っていますが、波・雲・風・半透明の模様・IT系の素材・草木など、多重スクロールに使える素材は多いです。

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今回は画面下部の３重スクロールがテーマです。３枚の波レイヤーの間からは魚が飛び出す演出もあります。

まずは波の画像を用意します。今回の動画では1920×1080ピクセルの透過PNGで制作しています。ポイントとして、画像の左右端が繋がった形状にします。画像を並べて動かすことで、シームレスなアニメーションにします。
→波のサンプル画像DL

実際の画像はこのような体裁です。

制作前に効果の尺を決めます。今回はビデオトラックに30秒間のカラークリップを配置します。波の効果では30秒を超えるトラックもありますので、本番はプレビュー範囲を設定して出力します。

波の画像を全画面で配置します。波の表現は2トラック使います。今回は3段階の奥行きですから6トラック、間にアニメーションを挟むので8～9トラック使います。

画像の表示時間を設定します。ここでは下段（手前）15秒、中段30秒、上段（奥）60秒、にしています。クリップが長いほど動きもゆっくりになります。

各クリップにモーションを生成して、Y軸をずらします。下段（手前）は設定しません。

中段は最初と最後のフレームをY軸+6に設定。

上段（奥）は最初と最後のフレームをY軸+12に設定。

色が同じなので分かりにくいですが、これで３重に重なった波ができました。

次は、波の色に変化を付けます。下段のクリップにFX「ビデオ調整」を適用します。

下段のクリップを選択してオプション→フィルターをカスタマイズ

最初のフレームにカーソルをあわせて、下部ウインドウメニューの「リセット」を押下。

リセット後は明度を-40に設定します。

最後のフレームも、リセット→明度-40

下段（最前面）の波が濃い色になりました。

次は上段（奥側）の色を変えます。疑似遠近なので奥側は明るい色がいいですね。

前後のフレームをそれぞれ選択して、リセット→明度+40にします。

3段階に色を設定しました。さっきより分かりやすいですね。

次は下段の波にモーションを設定します。

最初のフレーム…X軸0、最後のフレーム…X軸200

手前の波の動きです。２パターンのうち１パターン目ができました。

波の動きは２トラックを重ねて作ります。

最後のフレーム…X軸0

最初のフレーム…X軸-200

2パターン目ができました。

2つのパターンを合わせて波が移動します。

トラックを複製して並べます。尺を短くするほどに動きが速くなります。手前の波は速く、奥は遅く動かします。

中段、上段の波も同じ手順でモーション設定します。

波が完成しました。波の間のトラックに魚などの素材を差し込みます。

魚のアニメーションは解説を省略します。この動画ではクリップ長1秒にして、適当にモーションを付けています。飛び出す時はオブジェクトのZ軸を調整して傾きをつけるのがポイントです。

擬似的な遠近表現なので、奥側のオブジェクトは小さく扱います。今回は同じ形状の波画像を使いましたが、奥のトラックは細かなサイズの画像を用意すれば、より遠近感を強調しやすいです。