タイマー・デジタル時計の効果は難しそうに見えますが、実はレイヤーを重ねた簡単な構造です(手間ではありますが)。動画では100分の1秒単位は正確に描画できません。編集モードが30fps・60fpsのいずれであっても、100分の1秒に及ばないためです。そのため、一旦出力した動画にタイムストレッチを掛けて、1秒間の枠に無理矢理押し込んでしまいます。
解説動画
タイマー素材の合成例
■作り方
最初にプロジェクトのプロパティを設定します。AVCHD(1920×1080,60p,28Mbps)を選択してOKを押下します。60pとは60フレーム/秒編集の略です。
テキストクリップを並べて時計の盤面をデザインします。各位と「:」「.」の記号を合わせて、8レイヤー使って配置します。この時、0~9の合計10枚が揃うなら、数字の画像や動画を使ってもOKです。
1秒の位選択して、クリップの長さを「1秒」に設定します。
0から9まで数字を打ち替えて、クリップを並べます。
「:」や「.」、1秒より上の位は変化しないので、クリップをそのまま伸ばします。
カンマ秒の制作は後で別工程になります。今は無視します。
クリップ長さは「10秒」で、10の位を作ります。
10秒の位は60秒で次の位になるので、0~5の数字を入れます。
同じ要領で1分の位を作ります。好みの長さに伸ばしてください。
サンプルでは2分間のタイマーにしています。次はカンマ秒(1/10秒、1/100秒)の制作です。
カンマ秒の位を作ります。0.01の位は0から9までを「1フレーム」で配置します。0.1の位は「10フレーム」で配置します。
60fps編集でも、最小単位の1フレームは0.0166…秒です。つまり、1/100秒を正確に描画できません。仕方が無いので、一旦カンマ秒の位を動画として出力した後、タイムラインに割り付けた後、再生速度を変更して1秒の枠に無理矢理入れてしまいます。
カンマ秒の箇所以外のレイヤーを非表示にします。
カンマ秒の箇所のみ無圧縮のAVIで出力します。「+」マークをクリックして新規プロパティを作ります。
フレームレート:60、フレームタイプ:フレームベース、
圧縮:なし を選択します。その他の値は初期設定のままです。
無圧縮AVIとして出力します。1.5秒程度の素材ですが、無圧縮の場合約600MBのサイズになります。
出力した動画をタイムラインに配置します。Shiftキーを押しながら、クリップの端を左側にドラッグして、1秒間の尺に合わせます。
出力した動画は背景込みですから、手前に配置すると他のクリップが隠れてしまいます。一番奥のレイヤーに配置します。
尺全体にクリップをコピー&ペーストします。PCによっては重たい処理になります。
2分間のタイマーが完成しました。あとはMP4等任意の形式で出力します。
出力した動画は、他の動画に合成できます。マスクで抜くとこのような体裁です。
クロマキー処理で抜くと数字のみの表示にできます。ただし、クロマキー処理は合成の美しさに限界がありますので、合成する動画の色味に合わせて、タイマー動画の背景色を整えておくと良いでしょう。