PV(プロモーションビデオ)、MV(ミュージックビデオ)、VJ(ビデオジョッキー)等格好良い分野の映像は、センスと映像表現の腕が必要ですが、次のルールを意識すると経験が浅くても「らしい」映像が作れます。
但し、以下のルールべったりにやっても、それはそれでわざとらしい作品になります。裏技的なテクニックですから、上手く距離を取りながら使ってみてください。
1、場面の表示時間を細かく刻む
2、沢山の場面(素材)を用意する
3、ランダム(乱数・乱れ)を使う
VideoStudioで制作したライブ用の背景動画(BGV)です。現場では無音声&ループで再生されます。
http://sound.jp/madpolice/
1、場面の表示時間を細かく刻む
TVCMの場面転換の時間を測ってみるとよいでしょう。だいたい1~3秒で場面が切り替わっています。素人臭いビデオに見えるひとつの原因は、長い場面を多用することです。
長い場面は視聴者が必要としない情報を延々と見せ続ける可能性があります。子供のお遊戯会の記録を例に挙げると、おじいちゃんやおばあちゃんが見たいのは、孫の見せ場なわけでして、さらに具体的に言えば豆粒のようなロングの映像ではなく、一生懸命頑張っている顔の鮮明なアップだったりします。本当に視聴者が求める場面を抽出すると、1場面は数秒程度になるでしょう。
2、沢山の場面(素材)を用意する
言葉を使うのでなくビジュアルで見せるのであれば、時間単位の情報量を増やす方が満足感のある見た目になります。場面の表示時間を細かく刻めば、必然使う素材量も増えます。
1分間のPVであれば、4秒に1場面変化が起きるとして15場面の素材を使うということです。これでもか、というだけの素材を用意したところで、その気に慣ればあっという間に消費できてしまうのが動画の怖いところです。
3、ランダム(乱数・乱れ)を使う
視聴者は「映像を見るプロ」です。設計された映像については、テレビ番組や映画など「一級」作品を日々視聴しています。逆に、サイコロを振って場面を割り当てた様な作品には予想が通じず、視聴にはそれなりの新鮮さが伴います。
ランダム性は面白さや楽しさとイコールではありません。しかし、人はくるくると変わる映像に根気よく付き合う習性があります。具体的にはパチンコ・パチスロの映像です。あそこまで行くとデジタルドラッグの領域ですが、近いトコロの方法論は様々な動画コンテンツに使えます。
……ところで、この記事を読んでいるあなたは、当ページの制作例を何秒視聴しましたか?30秒でしょうか?1分でしょうか?もし、30秒以上視聴していたのであれば、制作者の私としては上々の結果です。この動画は何らメッセージ(言葉)の無い背景動画ですからね。これは、高度なCG等(つまり予算)使わず、場面転換の勢いと手数だけで引っ張った結果です。